人気ブログランキング | 話題のタグを見る
Lilypie 2nd Birthday Ticker
2006年 06月 18日
St. Mary'sでの出産 体験談
「妊娠・出産」ブログと銘打っていたのにも関わらず、そういえば出産の話を全く書いていませんでした。kkakoさんにご質問を頂いたので、おぼろげな記憶を元に出産の話を書こうと思います。長くなりますので、ご興味のある方だけどうぞ。しかし後半部分には、tamaの命名のエピソードが書かれています(読みたくなりました??)。

簡単に言うと、St. Mary'sでの出産自体は100点満点中75点くらい。病院の助産婦さんやドクターの質は高いと思いますが、施設がやっぱりNHSなのでイマイチ。出産後は個室はもらえず(当たり前ですが)私は8人部屋でした。それなりに清潔で電話やテレビもありましたが、なんだか殺風景。子供を産んだ後の喜びに浸れるような場所ではなかったかな。でもどうせ特に問題が無ければ、長くても2日しか滞在しませんので、許容範囲、といったところでした。出産直前に、同じくSt. Mary'sで女の子を産んだという日本人女性の方と会う機会があったのですが、その方が全く同じことを言っていました、そういえば・・・。

以下、出産記録です。



11月3日朝11時

出産予定日の前々日11月3日。GPでの検診がありました。実はその前の日の11月2日、仲良くしているお友達とウェスト・エンドで待ち合わせてお昼を食べることに。その後なんだかいつもの調子でカフェに入ったりウィンドー・ショッピングをしたりしているうちに、あっという間に夜8時を回っていました。臨月で8時間歩いたのはさすがに初めて。でもお友達とおしゃべりしながらだと結構大丈夫だったりして。8時でお店も閉まってしまったので、お家に帰ることにしました(笑)。

そして翌日、目覚めてみると、なんだかお腹が痛い・・・。私は生理痛と言うものになったことが無いんですが、きっとこういう感じなのだろうなぁ、という痛みでした。痛みを擬音であらわすと・・・クリクリした痛みでした(笑)。GPまでとことこ歩いて行く途中でなんだか痛みが引いてしまったのですが、一応先生に「先生、これが陣痛でしょうか。もっと痛いって聞いていたんですけどねぇ」なんてちょっとマヌケな質問。先生は「前駆陣痛かもしれませんね。まぁとりあえずリラックスして通常通りに生活していて大丈夫」と言っていました。

11月3日午後4時

その後お昼は何事も起きなかったのですが、夕方4時くらいから、またまたクリクリ痛み出してきたので、仕事に出ていた夫に「ん~、朝の痛みはやっぱり陣痛の始まりだったと思う。今も痛いのよぉ~~」と伝えると、「ヌワニ~~!! いよいよかぁ!」と興奮して帰ってきてくれました。

11月3日午後10時

その後ベッドで横になったり、テレビを見たり、シャワーを浴びたりといつも通りに暮らしていましたが、夜11時を過ぎた辺りから、痛みがちょっと本格化。今思うと全然本格的な痛みじゃなかったんですけどね(笑)。私的には「痛い~~、でもこれくらいの痛みなら耐えられるわ~。私って痛みに強いタイプだし~」なんて偉そうな事を言っていました。

間隔を計るとだいたい6~8分くらいだったので、病院に電話をしましたが、助産婦さんに色々質問されて答えていると、「まだまだね。間隔がもっと縮まったらまた電話をください」と言われちゃいました。今思うと、助産婦さんは質問の答えに興味があったのではなくて、私がどれくらい話ができるか(痛みが本格的かどうか)を調べていたみたいです。「これだけ話が出来るならまだ大丈夫ね」なんて言われちゃいましたから。

11月4日深夜12時半

しかしその後12時半を回った頃くらいにおしるしがあり、間隔も4~6分になってきたので、病院には電話せず、ホスピタル・バッグをつかんで車に乗って押しかけることに。真っ暗な夜道を車で病院に向かっていたあの瞬間、結構思い出深いです。

車を停めて歩いて出産病棟まで向かいました。入り口のドアを開けると、付き添いの人と思われる団体がロビーのソファを占領している!! 本当は全然歩けたんですけど、「うっ!」なんて辛い振りをして席を譲ってもらいました(笑)。

その後助産婦さんにカルテ(note)を渡して、分娩室に案内してもらいました。助産婦さんが出産はまだまだと判断すると家に返されると聞いていたので、ここでそうならない様に、痛そう~~な表情をしてみたり、歩けません!!っぽいジェスチャーをしてみたりもしました(笑)。でもそんなことをしなくても、どうも子宮口はその時点で4cm開いていたようで、そのまま分娩室にとどまることに。良かった~。最初のmidwifeはMaryという方だったような気がします。ちょっと名前はおぼろげ。

彼女がとにかく優秀な助産婦さんでした。感じもいいし、親切だし、手際もいいし、この人に当たって本当に私はラッキー、と感謝していました。実は出産前のante-natalクラスで病棟の見学をしたのですが、その時「えぇ? 18歳?」っていう感じのものすごく若そうな助産婦さんを見かけていたので、「うぅ~ん、こう言っては悪いけど、彼女には当たりたくない」って思っていたんです。

11月4日朝3時

あまり良く覚えていないのですが、これくらいの時間から結構痛みが本格化してきました。Maryが「Gas&Airを試してみたら」というので「スゥ~~~」と吸ってみると、確かにちょっとラリって来ました(笑)。マリファナを吸ったような感じかなぁ(←って、吸ったこと無いですよ)。痛みが和らぐという訳ではないのですが、ハイになるので、ちょっとお喋りしたりしたくなりました(笑)。

11月4日朝6時

この頃には痛みが耐えられないほどひどくなっていました。大きなスイカが回転しながら私の体を下っているような感じ。私は声を張り上げることも出来ずに、「くぅ~~~~」と唇をかみ締めながら、片手をバンバンとベッドにたたきつけていました。今でも夫がたまにその真似をするので、すごくイヤ。

もう我慢できないので、何か痛み逃しをお願いしようとemergencyボタンを押しました(助産婦さんはずっとお部屋にいてくれるわけではないので、来てもらいたかったら赤いボタンをポチッと押さなければいけません)。ここでMaryではないスーパーバイザーの助産婦さんが登場。「あら、そんなに痛いの。プールに入って痛み逃しをする??」と聞かれました。「いや、もうそういう段階じゃないんですって」と言ったんですが、「そんなに痛いわけないじゃないの」ッポイ事を言われました(詳細は忘れました)。なんなの、このMidwife~~~! キィ~~~!! そこで夫が助け舟。「もう歩けるような状態じゃないんですよ。子宮口も5~6cmは開いているはず」と言うと、「えっ、あなたさっき入ってきた人じゃないの?」と言われました。どうも20~30分前にはいってきた中国人の別の妊婦さんと勘違いしていたみたいです。「ごめんなさい、ごめんなさい」と謝っていたけど、アレは少しイラッとした瞬間でした。

その後、最高潮の痛みが何度も襲ってきてGas&Airではもうどうにもならなくて、陣痛の波が来るのが怖くて怖くて絶えられそうに無かったので、emergencyボタンを押してMaryにepidural(無痛分娩)をお願いしました。すると彼女、「もうちょっと頑張ってみて。子宮口はもう7cm開いているし。破水もまだだから、ちょっと膜を破ってみるわ。そうしたらお産が一気に進むかもしれないし」と反対されました。夫もepiduralには万が一の副作用が起きるかもしれないので「そうだよ、もうちょっと頑張れ!」と反対するではありませんか。

2人にそう言われて後ちょっとだけ我慢することに。でも強制的に破水させたものの、お産は特に進まず、地獄の痛みが1~2分おきに襲ってきます。「この痛み、あとどれくらい続くの?」とMaryに聞いたところ、「初産だと、子宮口が1cm開くのにだいたい1時間かかるから、そうねぇ、あと2~3時間かな(ヒャ!!)」と言われたので、「もうだめ~。麻酔の人を呼んでき

て~!! RIGHT NOW!!!!」って叫んでました(笑)。

それでも反対する二人に、「お産をしているのは私なんだから、私の意志を尊重してちょうだい。何で止めるの。信じられない。このロクデナシ~~(←ここswear word)」って言ったらMaryも夫もやっと納得してくれて、epiduralをすることに。あぁ、良かった。

Maryが、「そうね、今日の麻酔担当者はとても腕のいい人だから、安心して任せられるわ。わかった、epiduralの準備をします」とお部屋を出て行きました。それから待つこと20分程度。やっとインド系と思われる麻酔師の人が来てくれて、約15分くらいでepiduralをセットアップしてくれました。

本当に魔法のような効き目でしたね・・・。あんなに痛かったのに、すぅ~~~~~っと痛みが引いて。地獄にいたら、インド・シルクがたら~~と垂れてきて、それにつかまりながら地上に引き上げられたような感じかなぁ(笑)。アレが無かったら、私どうなっていたか分かりません。おまけにその後もたびたびGas&Airも使っていたので、更にハイになって、地獄から天国へ(笑)。

「無痛」と言っても全く感覚がなくなるわけではなくて、いきむ時にやりやすいように、ちょっとだけ感覚が残るように麻酔の量を調整してくれたそうです。いやぁ、腕の良い人でよかった・・・。

あっという間に余裕が出てきて、夫に「もうお店も開いていると思うから、食べ物でも買ってきたら」と言えるようになっていました。夫はカフェでコーヒーとチョコパン、それにThe EconomistとTime Outを買ってきて、私の横でリラックスしていました。

11月4日午前7時

愛しのMaryが分娩室に現れました。「実はシフトの終わりの時間なの。私はもう帰らなきゃいけないから、新しい人があなたの担当になります。最後まで一緒にいられなくてごめんなさいね」と告げて帰ってしまいました~~!! ええぇ~~。

そして次に現れた助産婦さんは・・・・キヤァ!!!! あの18歳(位に見える)の助産婦さんじゃないの!!!!! 「これからは私が担当します。Luciaです。よろしく」と自己紹介。彼女、スペイン人でした。若々しくて、とっても美形の女の子だったのですが、どう考えても経験抱負には見えない。Mary、カムバ~~ック。これからが大事なんじゃないの???

11月4日午前10時

子宮口が全開した模様。Luciaに、「さぁ、がんばっていきんでみましょう。とうとう赤ちゃんに会えるわねぇ」と言われて、ちょっといきんでみることに。

ふぅ~~~~~~ん

あ、全然ダメだわ(笑)。「先生~~、どうやってやればいいんでしょうかぁ」とLuciaに聞いてみたら、「大きなpooをするときみたいに下腹に力を入れて。やってみて。ハイ!」

フゥ~~~~~ン!!

Lucia 「いいわよ、上手、その調子」

↑このやりとりが、かれこれ1時間続きました(笑)。どう考えても上手に出来ているわけが無いんですよね。でもLuciaは、「いいわよ、上手、その調子!」を繰り返すばかりでした。

ここで、救世主の別のベテラン助産婦さん登場。この人が分娩室を巡回しているみたいです。名前はKatie(仮名)。

Katie 「もう1時間以上いきんでいるじゃないの。一般的に1時間半以上いきんでいると、赤ちゃんが疲れてきて危険な状態になる場合があるので、緊急帝王切開になる可能性があります。さぁ、もっと頑張って。自分の力で産んでみましょう」とモチベーションをアップしてくれました。

そこでもう一度。フゥ~~~~~~~~~~ン!!と彼女の前でいきんでみることに。

Katie 「あぁ~~ん、そんないきみ方じゃ1週間やったって生まれてこないわよ! もっと長く、強く。陣痛が来たら教えて。ハイッ!!!」

フゥ~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~ン!!

ちょっと長めにやってみました。どうも今までのやり方、やっぱり全然ダメだった見たい。Luciaちゃん、お願いしますよ。

1時間半いきんだものの、赤ちゃんが生まれてくる気配は全くなし。それでもお腹の赤ちゃんは全く疲れている様子は無かったので、もう少し様子を見ることになりました。その後30分いきみ続けても変化無し。それでKatieに言われちゃいました。「だめね、ちょっとドクターに相談しないと。頭は見えているから、吸引具を使うことになるかも」

ひぇ~~。2時間頑張ってるのにぃ。しかしさすがにコツをつかめてきた私。お産のときはアドレナリンがブワッと出てくるみたいで、疲れやすくだらだら系の私も、「まだ、いける。がんばる!」となんだかハイになった体育会系の女子高生のノリでした。

その後頑張ること30分。出てきたぁ~~。頭がポコンと出てきたみたいで、夫が「うわぁ」って叫んでました。「頑張れ、もう少し、ホレ、puuuuuuuuuush!!」ってずっと言っていましたね(笑い)。だいたい立会い出産する気は無かったのに、なんだか流れでそうなってしまったし。

頭がでたあとは、Luciaのリードにしたがって、あまり強くいきまず、ゆるめに長~~~くいきむと、出てきました。tamaの体がするりんと。お昼の12時39分でした。

ここで夫が "It's a girl. It's a girl!!"って叫びながら泣いてました。私は血だらけの赤ちゃんは抱きたくなかったので(冷めた母親)、渡そうとしたLuciaに、「あの、先にちゃんと拭いてください」って頼んじゃいました(笑)。その後、用意しておいたbabygrowを着たtamaが私の腕にやってきました。

「あぁ~、やっぱりあなただったんだぁ」って思いましたね。想像していた顔と同じ顔の女の子だった。

その日は本当にお天気の良い日で、分娩室いっぱいに光が燦々と振り込んでいて、なんだかお部屋がお日様でいっぱいでした。そっけない白い壁だから、さらにお部屋が輝いて。光の中で生まれた感じだったんです。

夫がその後、「この子の英名、Lucyはどうかな?」と聞いてきました。助産婦さんのLuciaが可愛かったからかな(笑)。Luciaの英語版です。でもLuciaは「光」という意味があると聞いて、ピンッときました。

tamaの日本語名は随分前から決まっていたんです。女の子ならこの名前にしようというのがあったので、お腹の子にもその名前で呼んでいました。でも英語の名前が全然決まらなくて困っていたんです。どうせ私は日本語名で呼ぶことになるし、まぁいっか、とLucyに決定(笑)。こんな単純で良いのかな??

その後会陰縫合に1時間以上かかりました。というのもLuciaがやったことがなかったようで、スーパーバイザーの女性に教えてもらいながら、えっちらこっちらやっていたからです。誰にでもこういう時期はあるので仕方の無いことではあるのですが、お産を終えて一息つきたい時に1時間以上縫合に費やすのは、結構辛かったかも。その間、tamaは夫の腕の中にいて、指をちゅぱちゅぱしゃぶって良い子にしていました。

全てを終えてLuciaが書類(カルテ?)に色々と書き込んでいました。その時、「この赤ちゃん、私が取り上げた49番目の赤ちゃんなのよ」って、えぇ~~~~~~~! 49番目でこんな感じ?? 普通の助産婦さんって何千人って取り上げているのかな。いやぁ、びっくり。

ちなみにその後判明したんですが、夫が"PUUUUUUUUUUUUUUUUUUSH!!!"と叫んでいた時は、本当は私はいきんではいけなかったときのようで、変なところで力を入れたせいで、必要以上に会陰切開してしまったそうです。あとで「ごめんなさい」って言っていました。ご主人の"PUUUUSSH!"は無視して、助産婦さんの冷静なPUSHだけを聞くようにしましょう(笑)。

長くなってしまいましたので、出産後から退院までは第二段に続きます・・・・。ってここまで読んだ方、いらっしゃるんでしょうか(爆)。

by ukpregnancy | 2006-06-18 00:54 | 分娩・出産


<< 成田→ロンドンの長時間フライト...      乳腺炎の嘘とホント? >>